去年、真空管アンプを自作してから、
LPレコードを聴くのが楽しくてしょうがない。
レコードに針を落とし、真空管を経由して聴く音はなんだか新鮮だ。
(テクノロジーとしては古びるのだけどね(笑))
去年の年末も個展で上京したおりに渋谷や池袋でLPを物色してきた。
その中の一枚。
リー・モーガンの「indeed!」である。
1956年。ブルーノート(以下BN)でのデヴューアルバム。
タイポグラフィーと写真を駆使したイカしたBNのジャケットだが、
これは珍しく生々しい手書き文字のみのシンプルなデザイン。
いかにも観客が「indeed!(うっそー!?)」と唖然としたという空気が
伝わって来る。
確かに18才でこの演奏。堂々としたものだ。
寒さがこたえるこの季節、ベテランリズムセクションのサポートで
若々しく溌剌とした彼の演奏を聴いていると心もからだも温まって来る。
16年後、彼に訪れる悲劇を思うと胸が痛むが、
早熟の天才に神様も嫉妬したのだろう。