若き武満徹はロックフェラー財団からの奨学資金を受け取るさいに希望を問われて「エリントンに師事したい」と申し出たが、ジョークと思われて相手にしてもらえなかったと言う話がある。
もしその願いが真面目に検討されたら、どうなっていただろう。ビリー・ストレイホーンと並んでエリントン楽団のアレンジャーにタケミツの名前があったかもしれない。
あるいは武満徹作曲のエリントンナンバーがあったかもしれない。
といいながら、その後の武満の仕事を知るものとしては、弟子にならなかった方が良かったという気もする。
「戦利品」の袋の中身が知りたいという要望があったので少しづつでも紹介していこうと思う。
ということで。
先ずは、袋から覗いていたこれから。
Duke Ellington and his orchestra
/The Duke and his men
40〜43年にかけてRCAに録音された音源をまとめたレコードだ。
ステレオ時代に入ってからのエリントン楽団のレコードもゴージャスでいいのだけど、やはり30〜40年代のものが好きだ。
武満少年が夢中になったのもこの頃のものだろう。
黄金のhis menの溌剌とした演奏が織り成す音の温泉(略して音泉)に肩までどっぷり浸かるのも良し、名手達の至芸それぞれに耳を傾けるのも良し。
伝説の天才ベース奏者ジミー・ブラントンのクレジットもある。
バックからメンバーを力強いアタックで盛り上げていく彼のベースも地味だけど聴き逃せないなあ…。
ちなみに購入価格は1100円。
セールで100円引きナリ!