考えてみれば、幸運なことであった。
20年前、私が故郷で独立した時と合わせて津山に高島屋が開店していたことだ。
現在総社のギャラリーKICHIZAEMONのオーナーのE崎さんはその高島屋津山店の初代店長だった。
当時E崎さんの回りには様々なジャンルの「芸術家」が集まっていて
いつしか私もその仲間に入れてもらったところから私の地元での作家活動が始まった。
分野も世代も様々な仲間の中心に居たのが洋画家のK野先生だった。
私はK野先生の最晩年の20年間をE崎さんをはじめ色々な人との出会うことから
故郷津山での活動の基板を作っていったともいえなくはない。
今は様々な事情で疎遠になった人も多い。
そしてK野先生は先年亡くなってしまった。
文化の火が消えれば、街も徐々に活力を失ってしまう。
当然高島屋が津山にあったこと自体忘れられつつある。
同時に地元での芸術分野を担う層も随分変わってしまったということでもある。