5月 某日 落語会

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 久しぶりに落語会に行った。
テレビでも良く顔を見る人気落語家だ。
「笑点」のレギュラーにもなっているし、タレント活動もさかんなので知名度はある。
と同時に中世城郭のマニアであることが有名なので、
その師匠に地元の津山城址を褒めてもらって郷土愛を高めよう!という趣旨のようだ。
前半は城についてのトークイベントで、後半が落語会という内容。

実はその噺家さんは私の在籍していた大学の落研の花形スタアであった。
当時から際立った才能を発揮していて、卒業を待たずプロの落語家に入門。
その後あっという間に真打ちに登り詰め誰もが知る人気者となって今日に至ると…。
今や六人の弟子を持ち、自身の一門を持つまでになっているのだからたいしたものだ。
そんなわけでその落語を生で聴かせてもらうのは30年振りになる。

前半のトークもそれなりに面白かったが、やはり期待は後半の落語だ。
30分を越えるマクラは「笑点」の裏話と自虐ネタで
会場は笑いの渦が出来て程いいところで、本題は「ちりとてちん」。
「酢豆腐」でないのがこの人のサービス精神だろう。
独特の解釈も新鮮で、クライマックスに向けての盛り上げ方も巧みだった。

落研時代のハチャメチャな芸風を思うとさすが30年に及ぶ芸歴、上手くなっている。
真打ちとしての風格も充分漂っている。当たり前だけどね(笑)
ただのタレント落語家ではないところを見せてもらった。

しかし、それだけに不満も残ったのも正直なところ。
師匠の名跡襲名も期待されているだろう。
このまま面白可笑しいだけの噺家で終わってしまうとすれば、
立川流をはじめとする若手落語家の勢いの影に隠れていく。
地方公演だとどうしても当たり障りのない内容にもなる。
きっと独演会などでは、もっと意欲的な試みもしているはずだ。
やはり、都内などでの独演会を聴かなければならないなあ。

…とエラソなことを書いたが、
これは同じ「芸」を生業にする私自身に突き付けられている課題なのだ。
他人事ではない。
ただ面白いだけ上手なだけの芸に甘んじていてはいけない。
レースは折り返し地点を過ぎたのだから…。
そんなことに頭をめぐらせながら家路についた。
by kaikaisei | 2013-05-12 21:40 | 日記
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