1月 某日 バッハ・ツィクルス

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 新年最初の演奏会は今年も福田ひかりさんのバッハ・ツィクルスであった。
去年はバッハとショスタコーヴィチ、そしてベートーヴェンの「フーガ」を交互に演奏するという
たいそう通好みのプログラムであったが、今年はゴルトベルグ変奏曲の全曲演奏ということで、
また聴きのがせないリサイタルだった。

グールドの新旧の録音などで耳に馴染んだ曲だが、生演奏をこんなに身近に接することができるとは!
また演奏前には自ら実演を交えてのレクチャーもあり初心者には優しい心配り。

さて。
大変な難曲だとはわかっていたが、実演を目にして納得。
二段鍵盤のチェンバロの曲を現代のピアノで弾くのだ。そのアクロバチックな手さばきに目を見張った。
しかしそこから紡ぎ出される音楽はあくまで流麗だ。
最初と最後に同じアリアを配して、その間に30の変奏が規則的に展開していく。
この起承転結もなく、全体としてのクライマックスもなければ解決もない。
放物線を描くように始まり終わる曲が、まるで曼荼羅図のように整然と進行する。
そして最後に冒頭のテーマ、アリアが演奏される。
終わりが同時に始まりでもあるということで輪廻転生を思わせる。
レコードで何度聴いてもそんなことはなかったのに、最後のアリアが流れてくると
なんとも言えない至福感がこみ上げて涙が頬をつたってしまった。

来月5日には東京でも同じプログラムの演奏会があるという。
是非沢山の人にあ足を運んでもらえるといいな。
by kaikaisei | 2014-01-23 14:02 | 日記
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