先月、お香研究家の浜村さんのワークショップに参加した。
お香であれば練香のようなものをつくる体験をするのかと思っていたが
天然染料を使って絹地を染めて茶道に使う古帛紗(こぶくさ)を仕立てるというものだった。
生地を二つ折りにして三方を縫い合わせて一枚の帛紗を二枚仕立てた。
中学の家庭科以来の針仕事で苦労したが先生や参加者の皆さんに助けてもらってどうにか形になった。
それを二種類の天然染料で染めたのだけど、折角だからリバーシブルにすれば便利で面白いだろうと洋裁の心得のある母にもう一度仕立て直してもらった。
気軽に注文を出してしまったが、几帳面な母も苦労したようで漸くそれが完成した。
仄かな紅色が茜。はんなりとした薄黄色がミロバランだ。
材料のミロバラン(和名:訶梨勒)と茜。
昔から香料や漢方薬として使われたものだが、
邪気払いに貴族や僧侶の衣服の染料としても使われていたそうだ。
それぞれに自作の染付香合と水滴を据えてみた。
やはり天然の色合いに優しく包まれたようで我が作品も喜んでいる。
眺めているだけで心が安らぐ。
これも一つの薬効に違いない。