翌朝、清水の友人宅を発って一路西へ。
今日(6/30)の寄り道は三重県は伊賀だ。
これは「浪速の元気娘」信楽作家W辺愛子さんを訪ねるためだ。
彼女とはかれこれ10年程前。
都内デパートでの私の個展会場で偶然知り合ったのだ。
当時大阪の中学(確か)補助教員をしながら信楽で焼締めをしていたという彼女。
たまたま上京したついでにフラリと立寄ってくれたらしい。
偶然にも彼女のお母さん(お父さん?)が津山出身でおばあさんがまだ健在だとかで
盛り上がったりしたのを憶えている。
何故だか私の作品を随分気に入ってくれて、いきなり祥瑞盃を買ってくれた。
当時は彼女は二十代前半。こんなキレイなお嬢さんが大丈夫なの?と案じていたが
その後アレヨアレヨと云ううちに、精力的に個展を続けていると思ったら
陶芸の専門誌に紹介されたりして
今や信楽では将来を有望視される期待の新星といったら安っぽい宣伝文句みたいだが、
とにかく頑張って仕事している。
もう既に彼女の蹲(うずくまる)壷にはファンが多いらしい。
なにしろ一人で山を開いて窯を築き焚き上げて、
今時のひ弱なオトコどもにはない情熱と体力の持ち主。
少なくとも私には出来ない。
まさに「浪速の元気娘」とわたしは勝手に命名したワケ。
正直言って作行きはまだ素人っぽさが残っているけれど
そんなの数作るうちにすぐ克服されるだろう(それが魅力なのかもしれないが…)
何を隠そう、私が最近作品を扱ってもらうようになった渋谷のH色野との御縁は
実はW辺さんが作ってくれたのだ。
H色野は看板に「穴窯陶房」あるだけあって薪窯で焼いた陶器を専門に扱う店として
私なんぞは全く縁がない店と思っていたが、
W辺さんが実は染付が大好きという店長さんに私の祥瑞盃を
見せたら私の作品を随分気に入ってくれたというのだ。
と不思議な因縁があるW辺愛子さん。
前置きが長くなったけれど…そんなW辺さんの窯場を訪ねたのだ。