妹が倉吉に行くというので、観光センターで土産に買って来てくれと頼んだのがこのコミック。
昭和38年の倉吉が舞台になっていて、現在倉吉の町おこしに一役買っているらしい。
漫画家谷口ジローは原作者関川夏央と組んだ80年代始めの「事件屋稼業」シリーズなどが好きで、その後の『「坊ちゃん」とその時代』などではその描写表現力に感歎したファンのひとりなのだ。
48歳の中年男が15歳の中学生の自分にタイムスリップしてしまうという
今どき凡庸な内容と言えば言えなくもないが、私が主人公と年齢が近くなったせいもあるが、ついつい感情移入させられてしてしまうのは谷口ジローの筆力だろう。
誰でも抱くでしょう?中学生、高校生のころに戻ってもう一度その時代を経験してみたいという思い。それを上手にくすぐってくれる。そして「失われた何か」に気付かせてくれる作品。
谷口ジローの描く男達って、なぜがみんな、孤独で哀愁が漂っている。
当然この作品の中年オジさんの感情を持った中学生までが!
そして。このコミック、欧州の有名なコミックの賞をいくつも受賞して、日本より先にベルギーで映画化されるというのが面白い!
この本を片手に倉吉の町を散策しながら描かれた風景を探索する為の専用のマップ、観光案内書、それに名物の手焼きせんべい一枚の引換券一枚が入ったセット一式(原作コミック一冊込み)倉吉観光センターにて1900円也で発売中。私にはこんなもん持って市中徘徊する勇気はないが!