これは他の業者から聞いた話。
瀬戸や四日市では倒産や廃業に追い込まれる窯業産業が後を絶たない。
使われなくなった工場の窯業設備はどうなるか?
その多くが中国に渡っていくらしい。
中には最新の技術で作られた窯業機械もある。
もしそれが中国で使われるとどうなるか?
安い価格で質の高い中国製の陶磁器が日本の市場に流れて来たら、何とか生き延びて来た国内の窯業産業を大いに脅かすことになる。
そこで苦肉の策として窯業組合で資金を掻き集めて、その機械を買い上げ、
海外流失を食い止めているというのだ。
けれど、そんな業者の裏工作を尻目に中国で生産された陶磁器が「美濃焼」や「瀬戸焼」のラベルを貼られてその産地から市場に流通している。。。もう中国製を売っていかないと産業自体が成り立たないところまで来ている。大きな矛盾がそこにある。
かつて「日本六古窯」などということばがあってその土地の土や窯を使いながら、焼き物の産地は発展して来た。
けれど、もう今はそんな狭い経済圏だけでモノは流通するするような時代ではなくなってしまった。
これは焼き物に限らず全ての産業で言えることだろう。
単なる商品になってしまった現代の焼き物に文化や芸術性を重ね合わせることはもうできないのか?