個展会場が午後からの営業ということで、
近くの映画館「イメージフォーラム」で懐かしい映画を観られた。
フェリーニの
「8 1/2 (はっかにぶんのいち)(1963年/伊)」だ。
私が好きな映画を挙げるとすると欠かせない一本がこの作品だろう。
知らなかったが、上映権の関係で25年振りのスクリーン上演が実現したらしい。
そうか。。。かつて私が初めて劇場で観てから25年経つのか?!
果たしてかつて二十歳そこそこで観たあの映画を四十代半ばを過ぎてどう観るか?
スランプ状態に陥って八方塞がりの主人公の映画監督グイドに
ついつい自分自身を投影したくなる。
43歳という設定は私より年下になっているが(苦笑)
完全修復ニュープリント版ということでモノトーンの諧調も柔らかく美しい!
フェリーニは映像の魔術師振りを思う存分発揮して
良くいえば天衣無縫。悪くいえば難解(笑)
混乱、混沌とした展開であるから途中意識が遠のくことシバシバ(苦笑)
ところが有名な最後のラストシーンになって、
訳も無く涙が溢れてきた(涙腺がユルイなあ。。。)
25年前は気が付かなかったが、マストロヤンニが演じる主人公の独白は
なんと!東洋の禅の悟りや老荘思想のようなに深い言葉でないか。
人生の儚さ空しさを噛みしめつつ幸せな気分にさせてくれる傑作だ。
25年前の感動とは、また違って深く心に響いてくるものがあった。
荒唐無稽なシナリオと即興的な演出でうまれた奇跡のような作品。
やはりフェリーニは素晴らしい。
初DVDが欲しくなった。。。ASA フク NISI MASA ユキ!