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6月 某日  水門

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消防学校に一日入学した。
思いがけず今年から消防団の部長になってしまい、
その幹部の研修という名目だ。
免許の更新で教習所に行って講習を受けるようなものか…。
別に事故や違反はしていない(笑)

いくつかの講習を受けたなかで、
避難の三原則というのがあった。

一、想定にとらわれるな。
二、如何なる状況においても最善をつくせ。
三、率先避難者たれ。

問題は、三、だ。
人を助けるためには、先ず自分が生きなければどうにもならない。
だから躊躇なく自分の命を守り抜け。
つまり災害が発生したら真っ先に逃げろ!ということらしい。

東日本大震災では消防団員が242名が死亡し、12名が依然行方不明のままだという。
多くは水門閉鎖中や避難誘導中に犠牲になったという。

この避難の三原則。3.11の教訓を踏まえてことだろうが、果たしてそれが正しいことか?
簡単には答えが出ない。咄嗟にどれだけの活動が出来るかどうか…。
殉職した消防団員は地域の住民や家族を救う為に、
当然のこととして最後の最後まで職務を果たした。
だから彼等の活動が間違いであったとはとても言えるものではない。

我々にとって水門とは何か考えてみる必要があるようだ。
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by kaikaisei | 2012-06-24 22:48 | 日記

「染付と藍染 展」のお知らせ

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藍染めをする妹との二人展、岡山県は総社市での開催が近づいたのでお知らせする。
今年はここ一回のみの展示になる。
会場では、毎回好評の絵付け体験コーナー設けるので、
会期中は出来るだけ会場に足を運んで絵付けの指導もするつもりだ。

お近くの方もお近くでもない是非遊びにお出で頂きたい。
美味しいお茶もございます、甘~いお菓子もございます。

会期は6月28日(木)~7月2日
会場は ギャラリー KICHIZAEMON(きちざえもん)
719-1132 岡山県総社市三輪1044-2
Tel: 090-5372-3547
http://sesse-kichizaemon.com
by kaikaisei | 2012-06-21 22:11 | お知らせ

6月 某日 パリ

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セザンヌ展を見た後は新宿に移動して中古レコード屋をひやかしたのち
ウディ・アレンの新作をを観る。

「ミッドナイト・イン・パリ」。
まだ生きてたんだW・アレン!てというぐらい久しぶりの彼の映画だが、実に洒落た映画だった。
自身の出演はないが相変わらずハリウッドとは正反対の映画作りをしている(笑)
タイトルの通り舞台はニューヨークではなくパリだが、主人公はW・アレン本人に限りなく近い。
脚本家からへ小説家に転身を図ろうとするアメリカ人がふとした事から過去のパリの街に迷い込むという、
ちょっと安直過ぎないか?というプロットだが…。
そこで若きヘミングウェイやガートルード・スタインなど憧れの作家と交流する。
他にもピカソやダリも登場する。
残念ながらセザンヌは出てこないがロートレックやゴーギャンは出る。

あ、これは以前読んだ「シェークスピア・アンド・カンパニイ書店」の話だと思っていたら、
ちゃんと本物の店が映っていた。
アレンもあの本に触発されてこの映画を作ったに違いない。

CGなんて一切使わないでタイムスリップ映画をとってしまうあたりが彼らしい。
ただの過去礼賛というのでもない。
ついつい現実に絶望しては我等は過去の世界に逃避してしまう傾向がある。
確かにノスタルジックなものに人は惹かれるものだし歴史は多くの教訓を与えてくれる。
しかし生きている今こそが「黄金期」なんだよ、とさりげなく教えてくれたいい映画だった。

セザンヌとウディ・アレン。
二人から期待以上の心の土産を貰って東京出張から帰ることができた。
by kaikaisei | 2012-06-20 22:46 | 日記

6月 某日 プロヴァンス

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セザンヌはヘタウマの元祖である!
泰西名画の巨匠をこき下ろしているようだが、そんなことはない。
好きになったのだ。セザンヌの絵が…(笑)

個展も無事に終えて東京滞在最終日は、六本木の新美術館の「セザンヌ展」も最終日であった。
セザンヌの絵を系統立てて観たことが無かったから、この機をのがす訳にはいかないと
勇んで出掛けていった感想がこれだ。

初期は同時代のゴッホような情念も無ければやモネの様な技巧も感じられない凡庸な画家のように見える。
もやもやする感情を持ちながら好きな絵を描いていたら、何かをきっかけにして世界の見え方が
次第に変わっていく。

何か…私はそれを密かに老眼ではないか?と推理する。
老眼で視界がぼやけて平面的に色彩を捉えるようになったというのが私の説だ。
根拠は今の私がそうだからだ(笑)

小説家が自分の文体を見つけたように、セザンヌのそれまでの鬱屈して退屈な絵が俄然面白くなる。
風景画も段々と抽象的になっていく。
それは同時に日本の南画を思わせる筆使いを思わせる。
松の木の表現はまるで富岡鉄斎だ。
もしかしたら鉄斎の方がセザンヌの影響を受けているのかもしれないが…未検証。

やはり圧巻は静物画だ。
ただのリンゴや壺の絵だけれど、見ていると目眩を起こしそうな不思議な感覚に囚われる。
今の我々は過剰な映像表現や刺激に麻痺してしまっているのが
初めて目の当たりにした人々はさぞかし当惑驚愕したはずだ。

時代は下るがストラビンスキー「春の祭典」の初演の際には会場が怒号に包まれて大混乱になったという。
今では条件反射のように名画名曲として有り難がって鑑賞するものになっているが、
いずれも革新的な作品としてセンセーショナルな問いかけを人々に投げかけていたはずだ。
当時の観衆と同じ感受性で観たらどんなだろうと想像してみるのもいいだろう。
確かに百年以上の時代を経ても充分に訴えてくる魔力を未だに持った強力な絵画群だ。
by kaikaisei | 2012-06-19 21:54 | 日記

6月 某日 西新宿

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渋谷での個展。今回も慌ただしいうちに会期が終了してしまった。
後半だけの在廊だったのではっきりとは断言出来ないが、独立して20年目ともなると
お客さんの世代交代が着実に進んでいるとことが実感できる。
当然不況の影響も大きいし、お客さんの購買層も変わってきている。
かといって価格の安いものでないと売れないというわけでもない。
東京というやや特殊な市場だから全国的な傾向だとはいえないが
良く言われる二極分化がすすんでいると言われるなか、我が「業界」では一極化がさらに進んでいるという印象だ。
経済や産業が優先されるこの国にあって、疎かにされがちな文化の伝承という意味では
我等の仕事もその一端にあるという使命感をもってこの厳しい時勢を乗り切っていくしかない。
深刻になっても仕様がない。
良いものを丁寧に、心を込めて作り続ける…単純に云うとこれだけだろう。

搬出の手伝いに伊賀のW辺さんが来てくれた。
二月には名古屋での個展を訪ねたが、今度は私の個展に来てくれた。
なんとも義理堅い人だ。

片付いた店でH間さんと三人で軽く乾杯してから、W辺さんと西新宿のに向かう。
地上40階からの眺望を肴に美味しい料理とお酒を楽しんだ。
私の器達にも久々に対面できた。
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嫁ぎ先でしっかりつとめていてくれる姿に「親」の私が励まされる(笑)
料理長のOさんが度々席に足を運んでくれて会話を盛り上げてくれた。
再来年にはここでW辺さんも仲間に入れて大きなイベントが出来る。
大いに楽しみではあるが、少し先のことでもあるので
それまでに公私に障害がないことを祈ろう。
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名物スウィーツ「金の卵」
by kaikaisei | 2012-06-17 23:04 | 日記

6月 某日 映画化

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朝から篠突く雨が降っている。
関東地方も一気に梅雨に入った模様。

会場に着くと東映の助監督とスタッフの女性が来店していた。

宮本輝の小説を映画化するとのこと。
劇中のヒロインが陶芸ギャラリーを経営しているという設定で、その店のモデルを炎色野にしたいということらしい。
宮本輝の小説はほとんど読んだことは無いけれど、唯一昔新聞連載していたのを読んだことがある。
正にその物語だ。もう15〜6年前の作品じゃないだろうか。

「私に聞いても参考になることはないわよ~」とご本人は及び腰だが、
取材メモをとる助監督氏達はこの店の雰囲気が大層お気に召したようだ。

スタッフは都内あちこちの店を回ったが、
その中で炎色野に白羽の矢が立ったのは店のカウンターに酒の一升瓶があったのを見たからだという。
お客さんに酒を振る舞うギャラリーなんてあまりないと思うが、
映画はその美人店主が一升瓶を抱えて帰える姿に主人公の中年男が一目惚れしてしまい、
ふらふらとその店に足を踏み入れてしまうところから物語が始まるという…。
その雰囲気が今の炎色野にしっくりくるらしい。
あらすじはすっかり忘れていたが、なんとなく話を聞いているうちに思い出してきた。
確か最後は仲間達とシルクロードに旅に出るという展開でなかったかな。
あやふやだが…。

クランクイン前に監督と女優が店を見に来て話しを聞きたいという。
どちらも今話題の人だ。どんな映画が完成するか楽しみにしていよう。

さて、個展の会期も明日を残すのみになった。
雨に濡れながらもお客様が絶え間無く足を運んでくださった。
本日も工房で仕事していると見えないお客様の姿に喝を入れてもらった一日だった。
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by kaikaisei | 2012-06-11 09:39 | 日記

6月 某日 宮益坂


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渋谷のギャラリー、炎色野での個展も
四日目となったところでようやくの会場入り。

出来るだけ会期中は会場に詰めるようにこころがけているが
今回は家の者に迷惑と不自由をかけられず
一週間留守にするのが難しかった。

先に足を運んでくれたお客様には失礼したが、
中には作者がいない方が気楽に見られると言う人もいるかもしれない。

店主のH間さん、今回も隙の無いディスプレイでお客さんを迎えてくれていた。
ここの楽しみは五時を過ぎる頃になると「そろそろ始めようか…」という
H間さんの一声で立ち飲み屋になることだ(笑)
今日は私が津山から持ってきた日本酒の封をきって
お客さんを交え一献酌み交わす。
なんとも幸せを噛みしめる一瞬だ。

その後は、大学の先輩S氏とコマーシャルでお馴染みのKくんとを誘って
ホロ酔い気分のまま宮益坂を下り、駅前の焼き鳥屋でオヤジ会に雪崩れ込んだわけだ。
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by kaikaisei | 2012-06-09 09:54 | 日記

双耳龍紋扁壺の製作 29

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翌日鋳込み口の粘土がしっかり固まっているのを確かめて恐る恐る型を外してみた。
型との隙間は硬化による収縮だ。
珪酸ソーダが効かせてあってもこれだけ収縮するということだが
自重による変形も大きいだろう。

慎重に型を外す。
乾燥は型から外した方が早いが、問題は排出穴の始末だ。
鋳込み口から手を入れてとりあえず穴を閉じてみた。
写真では分かりにくいが表面が微妙に波打っているのが気になる。

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今まで苦労して鋳込んできたが、ついに完全に近い形で取り出すことに成功した。
型の劣化が進んで吸水力が落ちないうちに完成作を鋳込まなければならない。
もう少し工夫すれば仕上がりもよくなるはずだ。
少なくとも予備を含めて5個は生地を用意したい。

更に硬化を待って別に鋳込んだ首部と接合する。
by kaikaisei | 2012-06-06 22:45 | 制作の現場から

不揃いの苺達

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満足に世話が出来ずにほったらかしだった畑の一郭に赤いものが…
良く見ると雑草に埋もれるように一昨年植えた苺の苗に実がなっているではないか!
大量の肥料を施さないと実がならないと聞いて、
去年は十分な土作りが出来て無かったと反省し諦めていたのだ。

まるで工業品のようにパック詰めされたスーパーの苺に比べると、
我が二年ものの苺は形も大きさも不揃いでまるで野生種のように見える。
味も酸味があって、お世辞にも美味しいとは言えないかもしれない。
だけど野趣が凝縮しているともいえる?(笑)
何より無肥料で無農薬だ。要するに手抜きなんだが…(苦笑)

明日より東京渋谷の炎色野で二年振り個展が始まる。
いつもは初日から全会期、会場でお客様をお迎えしてきたが
今回は諸般の事情で後半三日間の出動となり、とても心苦しい。

この不揃いの苺達を見ているとまるで私の作品の一部のようで、なんとも愛おしい。
ご来場の皆さんには、どんな感想を持って頂けるか…不安と期待が半々だが。

今のありのままの私の姿を見てもらうしかない。
by kaikaisei | 2012-06-04 23:11 | 日記

双耳龍紋扁壺の製作 28

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排泥のことを考えると放置時間は短めにした方が良いので鋳込んでから、
約2時間でコックを開くことにした。

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穴を大きくしたぶん排泥の具合はいいようだ。
しかし案の定ある程度泥漿の量が減るに従って排泥の勢いが悪くなった。

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ここで鋳込み口に粘土板を貼り付けて柔らかい型内の泥漿壁と隙間無く接着させる。
型の内壁と泥漿壁の間に空気が入ってしまうと折角鋳込んだ形が変形してしまうおそれがあるからだ。
ここはしっかり内部だけに空気を送り込む必要がある。

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ここにプラスチック製の漏斗(じょうご)を押しつけコンプレッサーからの圧搾
空気を送り込んだ。
排泥の勢いがなくなっていた泥漿も内圧が掛かって調子良く排出し始めた。
うまい具合に泥漿を出し切ることが出来たぞ!
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泥漿は固まったとはいえ、まだかなり柔らかい。
一晩 型の中に納めてから翌朝型を開くことにしよう。
by kaikaisei | 2012-06-03 23:59 | 制作の現場から