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収穫

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今回の岡山での絵付け体験では思いがけない収穫があった。
会場になった源吉兆庵美術館の企画展「和のデザイン」展になんと古染付が出品されていたのだ。
現在、来月の炎色野でのグループ展に向けて古染付の作品を準備している時に絶妙のタイミング。
入館者のないところを見計らって、ガラスのケースから取り出して見せてもらえないかと
担当のOさんにお願いしたら快諾してくれた。これは役得だ~!(笑)
そして手にとってじっくり鑑賞させてもうことに成功。
希少な本物の古染付を直に拝見する機会は早々にあるものではない。

先ずは「古染付魚形向付」。
古染付の見所である高台の足だが、ひっくり返してみて驚いた。
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なんと!三角!正確にいうと各辺の真ん中が少し窪んでいて菱の実がこんな形でなかったろうか?
いろんな古染付の向付を見て来て普通は丸形なのだが、この形の足は初めてだ。
表の魚形も愛嬌があってとてもいい。
古染付の大きな特徴になっている「虫喰い」と呼ばれる外縁部のホツレもいい感じだ。
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改めて5客の作品を仔細に見てみると型が凹(メス)型で作られていることか分かった。
もう一つ面白いのは同じ型で作ってあれば、形が揃っているかと思いきや、微妙に形がみな違っている。
つまり何種類もの違う型で製作されているということだ。
これもよく考えれば納得がいく。
景徳鎮のこの民窯が日本からどれ程の受注を受けていたのかわからないが、
大量の数を作る為には沢山の型を使って幾人もの陶工が形をつくっていたはずだ。
この不揃いの美も当時分業化された窯場であれば、当たり前の事情があったからだ。

ところが今の個人作家の時代になってしまうと同じ形の器を作るのに
わざわざ型をいくつも作るのは逆に非効率なことだ。
何人ものスタッフを使って大量に作っていれば話は別だが…(笑)

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さて。もう一方の「古染付羅漢図結形鉢」。
これも名品として図録などでよく紹介されているものだ。
デザインの奇抜さもあるが、絵がいい。上手というのではなく味がある絵だ。
写実は誰でも練習すれば描けるが味のある線となると描く人のキャラクターになってくる。
気になる作りだが、実際に手にとってみると思っていたよりも形状は深みがあり、
外縁部はしっかりと反り返っている。
その形を支える為か、ずっしりと重い。そしてここでまた驚かされたのは高台。
外形に合わせて高台は五角形になっているとずっと思いこんでいたが、実物は単純に楕円形であった。

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前の魚形の向付もそうだが、作りもその絵付けと同様にとてもおおらか。悪くいえば粗雑(笑)
あまり、本歌の作品に捕われ過ぎて単なる写しになるのが嫌で、今までは実作を遠ざけてきた。
しかし、その考えも改めなければならない。
やはり本物には汲めども尽きぬ魅力(魔力?)があるのは確かだ。
by kaikaisei | 2012-08-31 22:40 | ひとりごと。。。

8月 某日 ひと夏の経験

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二日間にわたる岡山は源吉兆庵美術館での絵付け体験、
今回も沢山の家族連れが会場に足を運んで下さった。
去年のリピーターは全体の三分の一ぐらい。
皆さん楽しみにしてくれたようだ。

去年も書いたが、私自身子を持つ親として
様々な親子や孫関係を見られて興味深かった二日間だった。

今年の印象だが、年々絵が描ける子が減っているように思う。
小学校低学年ぐらいまでは子供は放っておいても勝手に熱中して絵を描くものだった。
上手いとか下手ではない。手が勝手に動いて止まらないという感じ。
最近はそういう子がメッキリ少なくなった。こちらとしては色々提案するのだが、
萎縮してしてしまい何をどうしたらいいのか分からない。

どうも絵が描けるという自信を無くしている。
以前は小学校でも高学年になるとよくあったことだ。
しかしその傾向が低学年にも及んでいる⁈というのでちょっと驚いた。

みんな幼稚園や保育園ではお絵描きの時間があって、
当たり前のように自由奔放に絵を描いていたはずなのに、
小学校に入った途端に絵が描けなくなるとはどうしたことか…。
他の楽しみに時間を奪われて、絵を描く楽しみを経験してないのだろうか。

ともあれ。
老若男女それぞれに悩みながら、苦労しながら描き上げて貰ったお皿は約60枚。
焼き上がりを楽しみにしてくれているはずだ。
新しい自分の可能性を発見して貰えたら、これ以上の喜びはない。
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by kaikaisei | 2012-08-28 23:10 | 日記

三越デビュウ。

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新米は新しいご飯茶碗で!
ということでこれから新米が出回る季節に合わせて、デパートはご飯茶碗を売るらしい。

昨年、伊勢丹新宿店であった企画展だが、バイヤーさんの転属で
今年は日本橋の三越本店から出品要請を頂いた。
五種類を制作して、本日納品した。
都内出張の折り、たまに日本橋の三越には行くことはあったが
私などには縁ないところと思っていたがそうでもなかったようだ(笑)

「いろどり彩/美味しくご飯を食べる道具たち展」
会期   2012年8月29日(水)~9月11日(火)
場所   三越日本橋本店 本館5Fリミックススタイル

全国の作家が自慢の飯碗を寄せるというこの企画展。
出来ることなら会場に行って、一堂に会した飯碗を見てみたいが
14日から始まる渋谷での桃山グループ展と見事に会期が重なっていないので、
上京は難しいなあ。重なっていればなあ…。

都内にお住まいの方、会場の様子など教えて頂けると有り難い。
by kaikaisei | 2012-08-21 22:18 | お知らせ

忠魂

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二発の原爆投下と敗戦記念日、そしてお盆のある八月は、かつての戦争を思う季節。

私の住む地区の「忠魂碑」は村の田圃が一望できる山の上にある。
ここはかつて子供の頃の遊び場だったところ。
今は犬散歩コースとなりほぼ毎日のように登っていく。
しかしなんでこんなところに…と思っていたが、親に聞くと昔の国民学校がここにあったという。

他所の忠魂碑をよく知らないが、興味深いのは忠魂碑の銘 だ。
正面には「戦没者供養碑」の文字が刻まれて、「忠魂碑」の文字は左側側面にある。
それもその文字にはモルタルが詰められている。

想像するに、正面を向いていた忠魂碑を戦後GHQか何かの指導で90度向きを変えて
その空いていた側面を利用して戦没者慰霊碑にしたのではないだろうかと想像する。
教科書に墨を塗って文字を消したという話は知っているが、
忠魂碑にも同じことが行われたとすると民主主義製作も随分徹底して行われたものだと今さらながら驚く。
他の地区にある忠魂碑がどうなっているか?興味があるところだ。

以前もたまたま出会った忠魂碑が同じような処理がされていたのを見たことがある。
やはり当時としては良くあったケースなのかもしれない。
全国に点在する忠魂碑は今どんな扱われ方をされているのだろう。
私は右翼でも左翼でもないので、花を手向けたり、排斥するつもりもないが何故か気になることだ。

台座には、供養されている戦没者の名前が記されていたので数を数えてみた。

西南戦争…1名。
日露戦争…2名
支那事変…7名
大東亜戦争…83名

先の大戦では、こんな小さな村に関わらず出兵して帰って来なかった兵士がいかに多かったことに驚く。

今後この碑文に慰霊者の名前をこれ以上刻み込むことのないように願う。
…というのが月並みな願いになるが、もし次に名前を刻むような戦争が起こるとすれば
何名の名前がここに残されることになるのか?

国家は戦争は自ら望んで踏み切る場合もあれば、
意思に反して巻き込まれたり一方的に侵攻されることもあったりする。
歴史を振り返ってみると後者が圧倒的に多いかもしれない。
そのとき、私は国や郷土そして家族を守る為に戦うのだろうか?

「忠魂」という今や死語となった言葉で弔われた人々がここにいる。
それは遠い過去のことで、この碑文のように封印されて再び使われることのない言葉のようだが…。
「供養碑」はいつも私を問いかけように見下ろしている。
by kaikaisei | 2012-08-19 23:53 | ひとりごと。。。

古染付復刻 2

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八王子の鑓水窯(やりみずがま)で修行していた時に初めて出会ってから20数年になるか…。
当時魯山人の古染付写しの写しとして作っていた思い出深く愛着のある一品だ。

独立してから型も二回作り直して作り続けている。
多種多様にある古染付向付の中でもユーモラスのある作行きでは一番の人気作だろう。

もちろん表の絵付けが見所になる。
しかしどの古染付にも言えることだが裏の三つ足や高台が肝要なポイントとなる。
今回は、意識して太く低めに仕上げることにした。
by kaikaisei | 2012-08-18 21:11 | 制作の現場から

古染付復刻

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私を染付の世界に引き込んだのは明末清初の古染付写しの向付に出会ってからだ。
修行中からも独立後もしばらく随分と作り続けたものだ。
それがいつの間にか作るのを止めてから何年になるだろう。
理由のひとつは、祥瑞の仕事に時間を取られるようになったことがあるだろうし、
「写し」の仕事から離れて「オリジナル」の作品を自分に課すようになったこともある。

そんな中、渋谷のギャラリー炎色野から古染付を作ってみないか?と依頼があった。
9月に桃山陶磁の新作展をグループでやるので、私に「古染付」で参加しないかということであった。

桃山陶磁といえば、志野、織部の他六古窯の土物というイメージが先行する。
確かに日本発注で景徳鎮の民窯で作られたという経緯もあるが、
磁器の古染付も忘れてはならない存在だ。

しかし私にとって古染付は桃山陶磁としての魅力というより、
形や絵付けの面白さや大らかさに惹かれて製作していたように思う。

棚の奥から石膏型を引っぱり出して、積もった埃を払う。
しばらく私の仕事の原点である古染付の仕事に久々に取り組むことにしよう。
今度は桃山の時代に思いを馳せながら…。
以前とはまた違った物が出来るといいが。
by kaikaisei | 2012-08-08 22:25 | 制作の現場から

夏の染付体験

今月末、恒例になった夏休み絵付け体験をする。
写真は去年の会場風景。
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ご覧のように参加者は夏休みの宿題にという親子連れが多い。
既に予約も随分入っているがまだ余裕があるので、希望の方はまだまだ間に合う。
残念ながら岡山近辺だが…。

募集要項。
by kaikaisei | 2012-08-08 00:47 | お知らせ