中学生の時、美術部に入って初めて油絵というものを習った。
その折に秋の空を描くときには空色の絵の具に黄色を混ぜると良いと教えてもらった。
空は青。雲は白。と単純に思っていた私にとってはとても新鮮な言葉だった。
今となれば、何でもないことだが、季節感を表現するための秘伝を聞いて興奮したのを覚えている。
毎年この季節。
夏から秋への変わり目は、空の色への黄色の絵の具が混じり加減が
微妙に感じられる。
まだ残暑が続くと予報官は言うが、やはり秋の色が濃くなった。
月が変わった途端の台風襲来で大きな被害が出た。
直撃を受けた岡山よりも遠く離れた紀州半島の方が被害が甚大で
澄み渡った秋空を見上げても、心は晴々とならない。