読書日誌 160



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楢崎修一郎/骨が語る兵士の最期
 
フィリピンで収集された旧日本兵の遺骨。そのほとんどが現地人のものであった事実を厚労省が発表してなかった。そんなニュースを聞いて、ふと手にとってみた一冊。

著者は遺骨鑑定人。そんな仕事があることを初めて知った。それに人類学の専門家があたっていることにも驚いたが、それは読み進むと納得できた。

戦場での遺骨収集とは現場検証をすること。それは古代人の遺跡を発掘することは大きな違いがない。

その上で遺体と遺品が生々しく物語る戦況は常に過酷だ。特にサイパンやテニヤンと玉砕の島では日本人よりも現地の一般人(男女に関わらず乳幼児まで)の死者が多くなる。
そこで見えて来るのは現地の人々を巻き込みながらの日本軍の侵略行為の無謀さと悲惨な最期だ。

海外戦没者は240万人。その内、遺骨が収集されているのは半数の127万人に過ぎないという。
ひと柱でも多くの遺骨収集を願う著者の使命感と情熱には頭が下がる。


by kaikaisei | 2018-09-21 23:03 | 読む
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