カテゴリ:読む( 35 )

ユペチカ「サトコとナダ」

b0041520_21271291.jpg

アメリカ留学で出会った日本人女子とサウジアラビア女子との交流の物語。全4巻。


スマホ配信の4コマ漫画からの書籍化ということで、1ページに横長4コマという見慣れないフォーマットだが、すぐに慣れて独特のリズム感が新鮮。

最終巻では感動のあまり思わずホロリとした。デビュー作ということで少々稚拙な画力もキャラクターに初々しさを与えて、ユペチカさんの素直な気持ちが伝わるようで好感が持てる。


アメリカという多様性社会を舞台にして、異文化同士の普通のオンナノコとオトコノコが次第に友情を深めていくというのも巧みな設定だ。


イスラム文化に触れる機会のない日常を送っていると、ついついニュース報道ばかりに心情を揺すぶられて、偏見を持ってしまいがちだ。新鮮な視点でイスラム文化に興味を持たせてもらいココロを矯正してもらった。

あとは実践だな。



  











by kaikaisei | 2019-04-15 21:25 | 読む

読書日誌 163

b0041520_12412238.jpg
大友克洋「アキラ」
池袋のBOOK and BEDに一週間泊まって何を読んだか?大友克洋の「アキラ」全6巻なり。
私が学生の時に出版されおりに、一巻ぐらい読んでそのまま投げ出して、ずっと気になっていたが、30数年を経てようやく完読できた。

読み直して驚いたのはのその設定。
舞台は1982年に核攻撃を受けて再興されたネオ東京。2020年の第35回東京オリンピックが予定されているメインスタジアムがクライマックスの舞台になる。なにか予言してない?

最終巻が出版されたあと、阪神の震災やオウム真理教の事件などがあり、その後の現実の日本と照らし合わせてみると興味深いものがある。

なにより今時、パソコンでの作画が当たり前というなか、10年かけて完結された手描きによる圧倒的な表現。一コマ一コマじっくり味わいながら一日一冊づつ読ませていただいた。

実写映画の発表がされたまま実現されてないのは、この作品に触発された映画が次々に制作されて「アキラ」自体の映像化に意味がなくなってしまったのではないか。
一足間違うとギャグ漫画になりかねないその破天荒な展開に、いかに説得力を持たせるか、その表現力と熱量に脱帽。









by kaikaisei | 2018-11-08 12:38 | 読む

読書日誌 162

b0041520_09490130.jpg


石田衣良「西一番街ブラックバイト」


池袋での個展前にいつも読んでおく石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ。3年振りに手にとってみたらもう12冊目になってた。

今週はこの長閑な岡山の片田舎から飛び込む大東京。
ブクロは現代の日本の縮図。
欲望と暴力、格差の街ブクロ、
そして希望をつくる街。
予習。



by kaikaisei | 2018-10-22 09:46 | 読む

読書日誌 161

b0041520_20555988.jpg

森功 著 「悪だくみ」
加計孝太郎という人物について、地元のマスコミも何を恐れてか何も語らず口を噤んだまま。加計とは何者で何を成そうとしているのか?
知りたければこの本を読むといい。

私らが乗った日本という船の船長が安倍とするなら、その取巻き達の一人が加計。
麻生も酷いが下村の今日子も昭恵も夫婦ぐるみで権力を私物化してきた。今は身を潜めていれば馬鹿な国民は直ぐに忘れてしまうだろうが。
こんな人らに舵を預けていいの?と思い知った一冊。















by kaikaisei | 2018-09-23 20:37 | 読む

読書日誌 160



b0041520_23040946.jpg

楢崎修一郎/骨が語る兵士の最期
 
フィリピンで収集された旧日本兵の遺骨。そのほとんどが現地人のものであった事実を厚労省が発表してなかった。そんなニュースを聞いて、ふと手にとってみた一冊。

著者は遺骨鑑定人。そんな仕事があることを初めて知った。それに人類学の専門家があたっていることにも驚いたが、それは読み進むと納得できた。

戦場での遺骨収集とは現場検証をすること。それは古代人の遺跡を発掘することは大きな違いがない。

その上で遺体と遺品が生々しく物語る戦況は常に過酷だ。特にサイパンやテニヤンと玉砕の島では日本人よりも現地の一般人(男女に関わらず乳幼児まで)の死者が多くなる。
そこで見えて来るのは現地の人々を巻き込みながらの日本軍の侵略行為の無謀さと悲惨な最期だ。

海外戦没者は240万人。その内、遺骨が収集されているのは半数の127万人に過ぎないという。
ひと柱でも多くの遺骨収集を願う著者の使命感と情熱には頭が下がる。


by kaikaisei | 2018-09-21 23:03 | 読む

読書日誌 159

借金玉 著 / 発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術

我が身の行動の不調と歪みは老化だけではないと自覚もし、家人にも指摘されてきた。
で、気になった一冊をポチッと。
発達障害の身内に読ませる前に手にとってみて、
沢山のヒントをもらった。
「ぶっこみ(集約化)」「一覧性」「一手アクセス」これが仕事の原則か…これは既に実践済。
他にも役にたつヒントあり。


b0041520_11325779.jpg












by kaikaisei | 2018-09-09 21:30 | 読む

さくらももこ「ひとりずもう」

b0041520_13530574.jpg


瀬戸内市立美術館で開催中「さくらももこの世界展」のグッズコーナーで見つけてきた。
奈義町現代美術館の学芸員 遠山さんが以前私のラジオ番組に出演してもらったおりに、熱く語ってくれた一冊だ。
遠山さんは読み返す度に号泣しながら読むとおっしってた。
大の大人がそれも50代を迎えたオヤジが読んで面白いのか?と半信半疑で手にとってみたのだが …… 泣いた。オヤジも泣いた。

小5のちびまる子のその後の物語。思春期を迎え、将来に悩みながらもついに漫画家「さくらももこ」としてデヴューするまでの自叙漫画作品。

いつまでも子供ままでいたい。
大人になることの不安と憧れ。
揺れるももこの心情がとても素直に描かれている。
その姿の愛おしいこといったらない。
コンプレックスと周囲との違和感。
忘れかけた遠い私の記憶や我が子の姿に重なって瞼の奥が、クゥ〜ンとしてついに、涙が溢れてきたぞ〜。

漫画家になりたいという夢の実現に向かうももちゃんといつしか気持ちが一体化して、ついにラストシーンへ!あゝなんちゅうカタルシスだろう。

今、大人になりかけの子供達と子供に戻りたい大人達に薦めたい作品。
素晴らしい本を教えてくれた遠山さんに感謝だ。









by kaikaisei | 2016-01-21 13:49 | 読む

小山宙哉「宇宙兄弟」

b0041520_22153827.jpg


以前から妙なタイトルが気になっていたコミックだった。
美容室のお客さんが十七巻まとめて貸してくれ、家族で夢中になって読んだ。
家族夫々思いを込めてページを繰った。

私は、かつて男の子は宇宙飛行士に憧れていた時代があったことを思い出させてくれた。
小学二年生の時、アポロ11号が月に着陸し、万博のアメリカ館に月の石を見るために行列した。
あのころボクらの夢は遥か宇宙に向かっていた。
それが何時の間にか地を這うような些少な夢にすり替わっていた。
閉塞感の満ちたこの時代、三次元蟻が必要なのだ!(原作を読めばわかる…(笑))
出来る弟を持ってしまった兄の複雑な心模様もウチの兄弟の将来の姿に重なって見えて来る。

映画化作品も観た。
巧みに伏線を引かれた原作を2時間程におさめるのは、至難の技と案じていたら案の定であった。
それでも小栗旬君は大変な熱演で好感持てた。
原作を読んでなければ充分楽しめたろう(苦笑)
今は日曜朝のアニメがおすすめだ。
by kaikaisei | 2012-07-23 22:21 | 読む

「いねむり先生」と「哲也」

b0041520_22291925.jpg

伊集院静の「いねむり先生」を読んでいたら、傍らに漫画「哲也」が山積みになっていた。
長男が麻雀好きの従兄弟から借りて来たらしい。
麻雀漫画といえば、あまり品良くない青年漫画を連想させられて、
ちょっと中学生や小学生にはマズイんじゃない?と保護者としては眉をひそめるわけだが…。

しかし「哲也」とはもしかして、阿佐田哲也?
良く見ると少年マガジン連載とある。
そして一読して、その面白さにハマってしまった。
色川武大こと阿佐田哲也を主人公を戦中の混乱期から描くなかなか骨のある内容。
「麻雀放浪記」をはじめとした著作を元にした物語のようだが、
なるほど劇画的な過剰な表現もありだ。

「雀鬼と呼ばれた男」という副題が付けられるだけあって様々なテクニックを駆使して
玄人(ばいにん)と呼ばれる熟練の麻雀師達に次々に挑んでいくストーリィ。
麻雀のルールはよく分からないがついつい引き込まれてしまう。

そして行き着いた境地が「いねむり先生」ということになる(笑)ナルコレプシー。
「雀聖」と呼ばれ、その果てがのこの境地。
こちらは妻を失って自暴自棄になっていた「ボク」が先生と出会うことで生きる方向を
徐々に見つけていく再生の物語である。

子供らは「哲也」。私は「いねむり先生」。
どちらも同じ阿佐田哲也の青年期と晩年を扱った物語だが、
読み解く内容は随分違う(苦笑)

しかし親子で麻雀というゲームに興味が出て来たことには間違いない。
by kaikaisei | 2012-03-19 22:43 | 読む

アメリカ先住民

b0041520_12234777.jpg

アメリカで最も貧しい人種というアメリカ先住民の社会では、
失業率は80%を越えアルコール依存や肥満が蔓延しているにも関わらず
一人の孤独死もなければ孤児もいない。

また厳寒の居留地は冬は−30℃にもなるというのに、ひとりの凍死者も出ないという。
老人は大切にされ、心身障害者の差別も無い。
彼らの知恵と思想から今の日本人は学ぶことが沢山あるのではないだろうか?

かつてのヒッピームーブメントから今のエコロジーや反核運動にいたるまで
安易に担ぎだされるのもやむを得ない気もするが…
アメリカ先住民が特殊な民族ではないということを忘れてならないと思う。
何十万年の太古の歴史をとおして育んで来た人類共通の精神的遺産であるといこと。
それは例えば日本のアイヌ民族や古事記の世界観とも結びつくものだからだ。

またその迫害の歴史を透して見えてくるのはアメリカ人の精神構造だ。
フロンティア精神とともに美しく語られる「アメリカンドリーム」も
元を正せば他民族を征服して搾取ところから始まったということ。

その思潮が今までの世界情勢を衝き動かして来たとも言える。
しかし圧倒的な流れも曲がり角にどころか大きな壁にぶち当たっている今。
インディアンの言葉が深く胸に刺さる。

「私たちの未来は過去にある。」

「日々くりかえす行いこそが生活であり、文化を伝えることである。」

「一日一日を行きていくことが生きる目的である」
               (デニス・バンクスの言葉)

去年、ラジオ講座で阿部朱里さんの「アメリカ先住民から学ぶ」を聴いてから
アメリカンインディアンについて俄然興味が出て来た。
阿部先生の熱い語り口の魅力も大きかったのであるが(笑)

b0041520_12222834.jpg


「インディアン」という言葉が差別語ではないということも初めて知った。
侵略者である白人から付けられた蔑称をあえて受け入れ、
誇りを持つことで自分たちのアイデンティティと地位を勝ち取ろうということらしい。
差別用語や問題発言で言葉狩りに忙しい人々はどう思うか?
by kaikaisei | 2012-02-07 12:33 | 読む